つれづれぶらぶら

さん♪さん♪さん♪太陽の光♪さん♪さん♪さん♪三連休♪

オルガニート、そしてMachiko♫さんのこと

明けましておめでとうございます。って、もう1月3日ですけど。

2012年から始まったこのブログも、昨年、魔法のⅰらんどからはてなブログに居場所を移して、8年半近く続いていることになります。我ながらよく続いているもんだなぁ。ⅰらんどさんの頃はいまひとつ使い勝手が悪かったので1年当たり30件ぐらいしか書けませんでしたが、はてなさんは非常に書きやすいので筆が進みますね。

今年も引き続き、このネット世界の片隅で、ひっそりと小さな灯をともしてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

***

 

さてと、相変わらずコロナウイルスは猛威をふるっておりますし、なんだかんだギスギスしがちな毎日ではありますが、年の始めということで、皆さまに「癒し」をご提供したいと思います。

まぁ、ごちゃごちゃ言う前にこちらの動画を観て(聴いて)くださいまし。


♪ 紅蓮華/LiSA ♪ Ver1.1

いい音でしょーーー( *´艸`)

こちらは、このブログにもちょいちょい登場する「広島のMさん」こと、Machiko♫さんのYouTubeチャンネルにUPされているオルガニート®動画です。

「オルガニート」は、長野県下諏訪町にある精密機器メーカー・日本電産サンキョー株式会社(旧:株式会社三協精機製作所)が開発したカード式手回しオルゴールの登録商標です。カードに穴を開けて機械に差し込んで回すだけで、誰でも簡単に自分だけの音楽が奏でられるのが魅力で、世界的にも愛好家が多いオルゴールの一種です。

そして、Machiko♫さんは、平日はサラリーマン兼業主婦、休日はオルガニート編曲家/ミュージシャンとして八面六臂の活躍をされるスーパーウーマンです。また、熱烈なカープファンでもあります。

私とMachiko♫さんの付き合いは古くて、ねぇ、もう何十年になりますかね、えへへ、お互い歳を取りましたねぇ、Machiko♫さん。

人付き合いの悪い私にとって、親友と呼べる人はこの世に3人しかおらず、ひとりは私の旦那である現観くん、もうひとりは小学校からの幼馴染のSちゃん、そしてこのMachiko♫さん、というわけです。

Machiko♫さんは、いつも私のわがままを温かく受け入れてくださる優しい方。腰が低くていつも穏やかな微笑みを浮かべていらっしゃる。でも内に秘めるポテンシャルと熱意はものすごくて、ひとたびその内なる熱源に火の粉がふりかかると、びっくりするぐらいの勢いで燃え盛る。で、その「火の粉」を不用意に彼女にふりかけちゃうのが、だいたい私だったりするのね(;^_^A

そもそも、Machiko♫さんとオルガニートとの関わりの原因となった張本人が私なんだ。優しい彼女は、私のことを「オルガニートの世界に導いてくれた人」なんて紹介してくれているけれど、実際のところはそんな良い話じゃないんだ。ヒドイ話なんだ。

あれは私が彼女と出会ったばかりの若い日のこと。私が広島の袋町あたりの雑貨屋さんでサンキョーの20弁オルガニートを衝動買いしたのです。店員さんに「鳴らしてみていいですよ」って言われて、サンプルカードを差し込んで回してみたら、すっごく綺麗な音がしたんだもの。当時、1万円ぐらいしたのかな。薄給の新人OLにとっては、決して安い買い物じゃなかったんだけど、めちゃくちゃ惹かれちゃったのよね。

後先考えずに買ったものの、私には音楽の素養がこれっぽっちもナイ。しばらくは同梱のサンプルカードで楽しんでいたけれど、やっぱり自由に音楽を作ってみたくて。

そこで、学生時代にブラスバンドをやっていたというMachiko♫さんに相談してみたわけです。相談っていえば聞こえはいいけど、実際のところは、

 

「ねぇMachiko♫さん、楽譜とか読めるじゃろー?」

「うん」

「うち、こんなん買うてしもうたんじゃけど、使い方が分からんのよ。ちょっと貸すけん、カード作って。あと、作曲の仕方も教えて」

 

……めちゃくちゃワガママな女だよな、私。その一方的なワガママにも「わかった」と微笑んでくれて、本当にカードを作ったり、耳コピの仕方を教えてくれたMachiko♫さんは、本当に優しい人なのです。

それどころか、後日、「私も欲しくなっちゃった♪」と言って同じ20弁オルガニートを購入したMachiko♫さん。この瞬間が、オルゴールミュージシャンとしての彼女の第一歩だったのであります。なお、彼女は相対音感を持っていて、どんな音楽も「移動ド」で聴き取れるという羨ましい才能をお持ちです。

 

彼女と2人で、夏休みの3日間を使って、ひたすらオルガニート編曲をしまくった「合宿」は、若き日の幸せな想い出です。クーラーもない安アパートの1室で、だらだらと汗を流しながら、背中合わせにそれぞれが原曲を聴いて耳コピし、時々、私が聴き取れない音やリズムを尋ねるのに彼女が答えること以外はほとんどお喋りもしないで、ただただカードに穴を開け、オルガニートにかけて試聴しては直し、そして3日目に完成したそれぞれの曲をカセットテープに録音して、最後に「楽しかったねぇ」と語り合って帰る、そんな充実した青春の日々でありました。ええ、同世代のギャルたちが歌って踊って恋をしていた頃、我々2人はこんなマニアックな日々を過ごしていたのですよ。

とはいえ、私はやはり彼女のアシストなしでは編曲ができず、そもそも音楽よりも文章を書くほうが性に合っていたし、彼女は子育てと仕事の両立で多忙を極め、オルガニートから離れる時期が長く続きました。

そんなMachiko♫さんを、再びオルガニートの世界に引きずり込んだのも、やっぱり私のしわざなのです。2018年の11月、出張のついでに諏訪に遊びに来てくれた彼女を、下諏訪町にある「日本電産サンキョーオルゴール記念館 すわのね」に連れて行き、アンティークオルゴールのゴージャスな音色にうっとりしている彼女に向かって、「久しぶりにまたMachiko♫さんのオルガニートが聴きたいな~」などと言って、またもや火の粉をふりかけてしまったのです。

その言葉が、彼女の内に熾火のようにくすぶっていたマグマを噴火させてしまうことになろうとは。諏訪から広島に帰った彼女は、すかさず数種類のオルガニートを買い集め、さらに全国のオルガニート作家やプロ奏者との人脈を築き、数々のイベントに参加し、YouTubeチャンネルを作り、それはもう、あれよあれよという間に、オルガニートの道を究めていってしまったのです。そして今この瞬間もさらなる精進を続けていらっしゃるのです。

 

さてさて、前置きが長くなりました。Machiko♫さんの素晴らしいオルガニートの音色を、さらにいくつかご紹介いたしましょう。


♪ となりのトトロ ♪

ジブリの曲はイベントで演ると老若何女問わず反応が良いそうです。いかにもオルゴールらしい、穏やかに流れるような美しいアレンジですが、よーく耳を澄まして聴いていただくと、かなり速いスピードで回していることがお分かりいただけるかと。このスピードを5分近くも維持したまま回し続けられるというのも彼女の凄いところ。

なお、この丸いギターのような形のオルガニートは、群馬県下仁田町山田幸男さんというオルゴール作家さんが製作した「GARYU雅流」というものです。ギターのボディと同じ工場で作られた専用ボックスにオルガニートの機械とマイクを組み込んだもので、お聴きのとおり、音の膨らみが素晴らしく豊かです。特に低音の響きが良いんだよね。これを聴いてしまうと普通のオルゴールは音が軽く聴こえてしまいます。また、ギターと同じように肩から掛けて使うことが出来るので、街角ライブなどでは、Machiko♫さんは弾き語りのように立ったまま演奏しています。

 

それから、これは私がリクエストして編曲してもらったもの。


Take Me Out to the Ball Game ~私を野球に連れてって~(33N)

こちらは宮崎県の株式会社バイオベル製の33弁オルガニート。宮崎県の特産品である「飫肥杉」という高級木材で作られており、優しくて華やかな響きが魅力です。まぁ、Machiko♫さん曰く、お値段もなかなかに華やかだったそうですが(;^ω^)

その贅沢なオルガニートで奏でてもらったのは、アメリカでは2歳児から歌うという国民曲であり、メジャーリーグ定番の合唱曲「私を野球に連れてって」です。この素朴な曲が私ゃ大好きでねぇ。いつものようにワガママ言わせてもらいました。

ちなみに、20弁とか33弁というのは、オルゴールの内部のピンの数を指していて、これがカードの穴に引っかかって弾かれることで音が鳴る仕組みです。つまり、弁の数が多いということはそれだけ音の数が多いということ。もっと端的に言えば、20弁オルゴールには半音(黒鍵)がないので、Machiko♫さんは原曲に存在する半音をうまく編曲で全音(白鍵)に置き換えて再現しているんですね。彼女が「移動ド」の相対音感を持つことがここで活きてくるわけです。その点、33弁は半音が存在するので、編曲はそのぶん楽だそう。ただ、ピンが細くなるゆえに穴が小さくなり、穴開け作業が大変なんだとか(;^_^A

 

最後にもうひとつ。


春よ、来い/松任谷由実(オルガニート20N)

彼女がオルガニート編曲家としてスタートした初期に作られた作品ですが、私はかなり好きで、何度も聴いています。イベントでも好評だと聞いています。ユーミンならではの優しくて華やかなメロディとオルゴールは相性がイイと思います。通常のオルガニート20弁なので、響き自体は少しこもった感じを受けますが、共鳴板を用いて出来るだけ響きを良くしようと工夫していることが窺える動画です。

 

2021年のお正月、美しいオルゴールの響きに癒されましたでしょうか。このほかにもMachiko♫さんのYouTubeチャンネルには色々な曲が上がっていますので、興味があればぜひ聴いてみてください。また、さらに興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、この2021年をオルガニートとの出会いの年にしていただけましたら幸いです。あなたの内なる炎が燃え上がらんことを祈念して!( *´艸`)