つれづれぶらぶら

若鯉が元気に跳ねよる。失敗してもええんよ。どんどんアピールアピール。

諏訪大社(上社前宮)に詣でる

普段、運動をほとんどしてない人間が思いつきで諏訪湖畔16キロウォーキングなんてものを適当な装備でやっちまったものだから、おかげさまで今週はずっと足の裏が痛かったです。ようやく落ち着いてはきたけれど、やっぱ慣れんことはするもんじゃありませんな。 

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症状から見て、あーこりゃ足底筋膜炎だな、とズキズキ痛む足を引きずりながら思ったのでした。足底筋膜炎になるのはアスリートだけじゃない。運動不足のデブの中年もなりやすいから気をつけるんだぜ皆さん。

 

それはさておき、例年ならば三が日のうちに諏訪大社上社本宮に、姑を誘って4人で仲良く初詣に出掛けているんですけど、今年はコロナ禍ってことで、本宮に行くのは旦那と姑の2人だけで、私と息子は近所の小さなお社でお参りを済ませたんです。お正月の本宮の参道にはたくさんの屋台も出ているから、いつもの年ならチョコバナナやら肉の串焼きやらを食べ歩いて楽しめたんだけどね。ま、言うても仕方ないっす。

で、正月気分も抜けた昨日(1月9日)の夕方、ドン・キホーテで買い物してたら、ふと、そういえばすぐ目の前に諏訪大社の上社前宮があるじゃん、って思ったのでした。ドンキとナフコの駐車場から道路を挟んだ斜め向かいにあるのよね。

もう三が日でもないし、夕方だし、そもそも前宮はあまり観光客が訪ねてこないから、ちょっとお参りしよう、と1人で立ち寄ってみたのでした。

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街道に面した石鳥居こそ大きいのですが、前宮には、本宮や下社の秋宮のように、大きくて立派な拝殿があるわけではありません。この石鳥居を抜けて、200メートルほど坂道をてくてく上っていきます。細い道の両側には普通の民家も立ち並んでいるので、提灯が立っていなかったらあまり神域という実感はありません。途中には、綺麗な広場ができていたり、真新しい案内看板が立ててあったりして、私が嫁いできた頃に比べたらずいぶん整備された印象を受けます。

 

御柱祭のときは、前宮の御柱の曳行に当たった地区の人々は、太い柱を引きずって、この細い坂道を延々上っていかなければなりません。特に「前四」の御柱は、この坂道の一番上で、なおかつ一番最後の出発になるので、かなり大変なのだそうです。

 

坂道の上にあるのが、上社前宮本殿です。

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素朴な、小さなお社です。伊勢神宮から頂いた御用材をもって建られたものだそうです。お賽銭を上げ、柏手を打って、家内安全とカープの日本一を祈願します。お社の中では神主さんが祈祷をあげられていて、太鼓のリズミカルな音が響いてきます。

 

この前宮は、諏訪の神が最初に降り立った場所、と言われています。そして前回の記事でも説明したとおり、糸魚川静岡構造線中央構造線とが交わるポイントでもあります。それゆえ、この前宮を「パワースポット」として訪れる方も多いそうです。

私自身は、神話や伝説・民話を調べるのが学生時代からの趣味ではありますが、テレビや雑誌などで紹介されるような、いわゆる「スピリチュアル」には全く興味がありません。スピリチュアル愛好者の方々が「龍脈のパワーが~」とか「幸運を引き寄せる~」とか言ってはしゃいでいらっしゃるのを、私とは少々考え方が違う方々なんだな、と遠くから眺めているだけです。もちろん、霊的なものを否定するつもりはなく、科学絶対主義者でもありませんが。

とはいえ、ほとんど人のいない夕暮れの前宮の境内を静かに歩いていると、その澄んだ空気に心がスッと清められていくのを感じます。

神話や伝説・伝承というのは、太古からの人類(あるいは哺乳類、あるいは生物)の「記憶」が、何らかの形をとって表面化したもの、というふうに、私は受け止めています。ゆえに、大断層の上に主要な神社が存在するというのも、きっと何らかの先人からの警告なのでありましょう。諏訪の旧き神として未だに謎の多い「ミシャクジさま」にも、我々はきっといつかの過去に出会っているのでしょう。託宣をする神の多くが「蛇」であるとされていることも、おそらく何か理由があるはず。ここらへんは調べ始めるとめちゃくちゃ面白くて、一日じゅう図書館にこもって手当たり次第に資料を読んじゃうんだけれどもね(コロナ禍じゃなかったらね)。

 

雑談はさておいて、前宮の本殿わきには「水眼(すいが)の清流」という美しい小川が流れています。

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案内看板によると「中世においては、この川のほとりに精進屋を設けて心身を清め、前宮の重要神事をつとめるのに用いた」とのことです。その水を一口飲んでみると、キンと冷え切って、とても清々しい味がします。

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ま、キンと冷え切ってるも何も、あちこち凍ってますけどね。えーと、この時の気温はおそらくマイナス3度か4度ぐらい。昨日は1日中マイナス気温だったねぇ。

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水しぶきがそのまま凍り付いたかのような、面白い形のつららがたくさんできています。誰かが戯れに折ったのでしょう、つららのひとつがアスファルト道の上に置いてありました。小ぶりの茄子のような面白い形をしていて、完全に透明です。気泡もありません。もっと観察していたかったけれど、手がかじかんできたので、川へお帰り。

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茅野市内に住んでいるものの、普段あまり前宮を意識することがなかったので、いい経験になりました。お近くにお越しの際は、ちらっと立ち寄ってみてください。あ、でも周辺は住宅地なので、そのへんはご配慮くださいね。