つれづれぶらぶら

デニムリュック買えなかった。トグルボタンニットは買えたよ。わーい。

『RRR』ふたたび

『RRR』をまたまた劇場で鑑賞してきました!

sister-akiho.hatenablog.com

今度はね、息子と一緒に観てきたんです。っていうか、息子も『バーフバリ』をNetflixや円盤で何度も観ていて、ラージャマウリ監督の映画の面白さは充分に分かっているんだけど、前回、私が「お母さん『RRR』観に行くけど一緒に来る?」って聞いたら、「3時間もあるんでしょ?それはちょっと……」って尻込みしてたんですね。

でも、昨日(金曜日)に「明日、イオンシネマ松本で朝9時から『RRR』やるみたいよ」と言ったら、「……観て、みよっかな」って前向きな返事があったんで、その瞬間にe席リザーブをポチりましたよ。ええ、息子の気が変わらんうちに。

そんでもって朝っぱらから電車に乗って松本へ行き、イオンシネマ松本へ。事前にトイレをきちんと済ませ、飲み物やポップコーンは買わず、3時間、飲まず食わずの映画鑑賞です。終わったら何でも好きなもん食わしてやるけん、しばし我慢せい。

 

で、映画が始まりました。冒頭、真っ暗な画面から流れ出す「Spirit of RRR」。まずこれを息子に聴かせたかったの。


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こうやってYouTubeで聴くと、なんてことない感じの短曲だけど、これが劇場で聴くと、自分を取り巻く360度の暗闇のあちこちから声が飛び跳ねるような感覚になるのね。一瞬のうちに非現実の世界に誘われて、次の瞬間に画面に現れる「R」――STORY。くぅーっカッコいい!ちらっと横目で見ると、息子も軽く身を乗り出すようにして全身を緊張させてる。ふふふ、すっかり映画の世界に入っちゃってる。しかし息子よ、覚悟しなよ、その緊張感がこの後180分間続くのだぞ。頑張れ。

 

私はというと、2回目の視聴なので粗筋は頭に入っている。とはいえ、やっぱりこの映画はリラックスして観られる作りにはなってないんだよなぁ。分かっていても、心臓はどきどきするし、呼吸は浅くなっちゃうし、掌にはいつしか汗がじんわり滲み出す。分かってても、やっぱりハラハラしちゃうんだもん、ホントよく出来た映画だよ。

この映画のどこらへんが素晴らしいのかというと、一つには「伏線がすごく上手に張ってある」という点ですかね。えーと、この後はネタバレで行きますので、NGな方はこのへんでブラウザバックお願いしますね。

似たようなシーンが、前半と後半でそれぞれ意味を変えて繰り返されるのが、すごく面白いなと思ったんですね。

例えば、「バイクと馬」。前半では鉄橋の上から少年を救い出すシーンで、初対面の2人は阿吽の呼吸で反対側に駆け出す。後半ではラストバトルのシーンで、森の中から2人が同じ方向に駆け出す(そしてバイクが飛ぶ)。

例えば、「肩車」。前半では2人が友情を育むシーンの中で、ビームがラーマを肩車して笑い合いながらのんびり歩く。後半ではラーマの脱獄のシーンの中で、足が思うように動かないラーマをビームが肩車して決死の逃走を図る。

例えば、「見張り塔」。前半ではラーマが群集のリーダーを追い詰めるために駆け上る。後半ではビームとラーマが追っ手を振り切るために駆け上る(肩車した状態で)。

例えば、「怒れる群衆」。前半では、怒れる群衆が警察署の周囲を取り囲んで暴動を起こすが、ラーマの圧倒的な力の前に恐れをなして戦闘意欲を失って散り散りに去っていく。後半では、ビームへの拷問を見せしめとして集められた群衆が、最初はその苛烈さに恐れおののいていたのに、ビームの毅然とした態度やその歌声に戦闘意欲をかき立てられて暴動を起こす。

こういった、後半の山場となる重要なシーンで、観客が「そういえばあのとき……」と前半を思い出すフックとなる仕掛けが随所に丁寧に置かれていて、それほど説明がなくても、観客に「だからこうなったのか」と納得させるのですよ。

この他にも、ビームが虎と戦うシーンで両方の手にロープを掴んで引き寄せる姿が、拷問に耐えている姿と重なったり。あるいは、ラーマがシータに手紙を書いている場所が、森の中の例のラーマ王子像の前だったり。ぱっと思いつくだけでもこれだけあるので、細かく探していけば他にもたくさんイメージの重複が仕掛けられていそう。

さらに言えば、中盤での武器庫の様子(銃や火薬がめっちゃ大量にある)を引きの映像でしっかりと見せつけてきたことが、クライマックスの大爆発シーンに有無を言わせぬ説得力を与えているのですね。そらあんなに爆発物を一か所に貯蔵してたらそうなるわなぁという。

あと、これは前回の感想にも書きましたが、やっぱり「火」と「水」のイメージの対比がカッコいいですよね。

「火」は「破壊、暴力、威圧」のイメージで描かれていて、そういったシーンに多く用いられている(燃え落ちる機関車、群衆の暴動など)。それに対して「水」は「包容、平穏、雄大」のイメージで描かれている(水中ハイタッチ、ラーマの故郷の大河など)。

そしてそのイメージがそれぞれラーマとビームに分け与えられていて、厳格で野心家のラーマ、温和で純朴なビーム、という対比になっているのが、「キャラ立ち」という点において非常に分かりやすいのですよ。

 

まぁ、よく出来た映画だよなぁとあらためて感心しながら観ておったわけなのですが、そうこうしているうちに3時間が経過いたしましたよっと。

場内が明るくなって、隣の息子はどんな感じだったかと言いますと。

「いきなり監督が出てきた!びっくりした!」

あはは、やっぱりそこ(エンディング)驚くよねー。この白髪のおじいさん誰やねんって感じで登場してきて、ノリノリで踊り出しちゃうもんね、監督が。

「3本ぐらいの映画を詰め込んだような映画だった」

うんうん。『RRR』のタイトルが出る前まで(アバンタイトル)で、そんじょそこらの映画の1~2本分ぐらいの内容だよね。その後も山場がひっきりなしに続くもんね。

「めっちゃ疲れた。身体がなんか熱い」

だよねぇ。3時間ずーっとドキドキしっぱなしだもんねぇ。

「お腹すごくすいてるのに、でも、お腹いっぱいって感じもする。変な感じ」

分かる分かる。肉体は空腹を訴えてる(事実、私のお腹も終盤は鳴きっぱなしだった)のに、脳の中がぱんぱんで、これ以上何も要らないって言ってる感じなのよね。だがしかし息子よ、肉体は確実に飢えておるのじゃよ、何が食べたい?

「ローストビーフ丼、大盛で」

よしよし。喰わせちゃる喰わせちゃる。他に何か印象に残ったシーンはあるかね?

エドワードが、意外としぶとく最後まで生きてたなって」

そんなとこに注目してたの?エドワードって、スコット総督の腰巾着みたいなイギリス人の行政官ね。確かに見た目からしてへなちょこっぽくて、ただただスコットに戦況を報告してるだけみたいな役どころだったけど、死に方だけはやけにカッコいいんだよなぁ。

「あと、あのおばさんめっちゃ怖い」

スコット総督の妻・キャサリンのことよね。トゲ鞭を出してきた時、さすがのスコットもちょっと引いてたもんね。だいたいあのおばさんがマッリを欲しがらなければこんなことにはならんかったんだし、ほとんどの元凶はあのおばさんだよなぁ。

 

ちなみに、私の2回目の感想はと言いますと、

「ラーマよ、そのコスプレ衣装で故郷に帰ったんかい……」

でした。森からずっとその格好のまんまなん?どんだけその格好が気に入ったのか、ラーマさんよ……(;^_^A