つれづれぶらぶら

旅行記はちょっとずつ仕上げていきます。お楽しみに~。

4年ぶりの広島・その3~想定外の夏休み追加~

夏休み最終日の16日(水)

前日中にお土産などのかさばる荷物をまとめて宅急便で送り、夜は早く寝て、朝早くから洗濯物などを片付けて、さ、忘れ物はないね?OK。家族写真も撮り終え、12時29分に広島駅を発車する「のぞみ146号」に乗るべく、昼前に実家を出ました。玄関先で母に手を振り、寂しさにちょっと後ろ髪を引かれながら。

広島駅までの見送りには、父と姉が着いてきてくれました。が……!広島駅に着くとそこはとんでもない混雑まっ最中。途方に暮れた顔の人々が所在なさげに駅ビルの通路をうろうろしている光景を目の当たりにしたのでした。

……いや、何が起こっているのかは、朝のニュースで既に分かっていたんですけどね。

日本海に抜けた台風の外側の雨雲が、線状降水帯になってあちこちに大雨を降らせていると。それで、静岡で雨量計が危険レベルになったため、東海道新幹線が一部運休になるらしい、と。

とは言っても、昼前の時点ではどの列車が運休になるのかは分かっておらず、どうやら軽く見積もっても1時間以上の遅延は覚悟したほうがよさそうだということで、広島駅の周辺のレストランで昼御飯を取りながら、JR東海の「東海道・山陽新幹線運行状況」サイトとひたすら睨めっこしてました。このサイトは、リアルタイムで運休・遅延の情報が更新されていて、列車ごとに今どこにいるのか、何時ごろにどこの駅を通過する予定なのかなどの情報をモニターすることができるので便利なのです。

しかしながら、13時を過ぎても我々が乗るはずの新幹線は未だ博多駅を出る様子すらなく、そうこうしているうちに「のぞみ」の行き先表示がことごとく「東京」から「新大阪」に変わっていくのを目の当たりにして、あ、こりゃあかんわ、待っとっても今日中には帰れそうもないわ、と確信したのでした。新大阪まで行って様子を見るという策もあるけど、最悪、ホテルも取れない状況で新大阪駅で野宿というパターンも想定されたので、息子もいるし、それは愚策かなぁと。

やむなく、職場に電話をかけて、上司に状況説明してから追加の休暇1日分を申請して、明日受ける予定だった客を後輩に引き継ぎました。

広島駅のみどりの窓口は日程を変更する客でごった返していましたが、私もその長蛇の列に並んで、明日の切符を取りました。ところが、もはや指定席は朝から夕方まで完売。グリーン席ですら既に「残少△」というありさま。自由席という手段もあるけど、この調子だと明日の新幹線は激混み必至、名古屋まで立ちっぱなしという可能性も考えられたので、ここはもうお金を惜しむよりも確実性のほうを取るべき。迷ってる暇はないですわな。うん。大急ぎでグリーン席を2つ確保しました。

そんなわけで、またもや広島の実家にとんぼ返りして、母に「ただいまー」。こんなこともあろうかと着替えは1日分予備を取ってあるし、母はすぐに洗濯機を回して今日の汚れ物を洗ってくれたし。そんでもって夜はRCCのカープ中継をテレビで観戦できたし広島県民は地上波で野球中継が放送されている日常が当たり前だと思っているが、それ、当たり前じゃないかんね。長野県だとCS放送契約しないとテレビで野球が観られないんだ、これ本当なんだよ、広島県民、信じてくれ)。予定外の追加の1日だけど、でもまぁ、クーラーの効いた実家で、お布団敷いて寝れるのはありがたいことです。おやすみなさい。

 

そして、翌日の17日(木)朝

朝のニュースを見ると、昨夜は新幹線に何時間も閉じこめられてた人がいるとか、最終便の到着が朝の5時だったとか、新大阪駅に人が溢れて大変だったとか、色々な光景が映し出されていました。いやはや乗客も大変でしたけど、JRの皆さんはもっとお疲れのことだったと思います。駅員さんたちに怒鳴ってた人とかもいたみたいだけど、天気はJRのせいじゃないもんね。

で、じゃあ今朝はもう新幹線は順調に動いているのかなと思ったら、そんな簡単な話のわけがなかった。未明までダイヤが乱れまくっていたということは、朝、本来の場所に車両がいないということです。ただでさえ日本のトレイン・ダイヤグラムは精緻に組み上げられたもので、ひとつ乱れると次から次へと影響が及んでしまうのです。

JR東海の「列車走行位置」情報サイトを見たら、現在いったい何が起きているのかが理解できました。このサイトは、東京駅から博多駅までの各駅の間に、どの列車が何分遅れで存在しているのかが一目で分かるのですが、東海道新幹線山陽新幹線の分岐点となる新大阪駅の、その8つのプラットホームに新幹線がぎゅうぎゅうに詰まっていて、さらにその周辺の京都駅や新神戸駅のホームまでもがすし詰めぱんぱん。とにかくこの詰まっている車両を動かさないことには次の車両が入線できず、その前後の駅で1時間以上もの足止めを食らっているのでした。うぎゃー。

さて、どうしたもんか。どうせ遅れるのなら急いで広島駅に向かう必要もないが、逆にのんびりしていて対応が後手に回ってしまうのは避けねばならぬ。運休となる車両が次々と追加されていることを考えると、もしも私たちの乗る予定の新幹線が運休になってしまった場合、その場ですぐに別の列車に飛び乗らねばならぬというケースも想定しうる。っていうか、昨日までで夏休みの予定は消化しきっているので、実家にいても特にするべきこともないのだな。よし、ここは逆に早めに動くこととしよう、と考えました。

さすがに2日連続で見送りを頼むのも心苦しい(父も姉も昨日の大混雑でかなり消耗していた)ので、今日はもう見送りはなし。父が最寄り駅まで車で送ってくれたので、改札口で手を振ってありがとうと伝えました。

 

11時ちょっと前に広島駅に到着。乗る予定の新幹線は、昨日と同じ、12時29分に広島駅を発車する「のぞみ146号」だから、ま、とりあえず1時間半は余裕がある、……とすると、よぉーっし、メシだメシだ!!!

うん、なんで家を早めに出たかっていうと、食べたいものがあったからなのですよ。本当は昨日食べに来たかったんだけど、すさまじくごった返していて、店の前に信じられないほどの大行列ができていたから諦めたのですよ。でもやっぱ食べたいんすよ。

なので、今日は11時ジャスト、広島駅ビルekie(エキエ)の開店時刻ちょうどに、その店に滑り込みました。はい、広島市民のソウルフード、みんな大好き「むすびのむさし」!!!!!

tabelog.com

むさしのおむすびは、それこそ昔の広島市民球場の頃から、「カープを見に行くんじゃったらむさしのお弁当を買わんと」と言われていたぐらいに、そして現在もマツダスタジアムカープうどんと並ぶ定番グルメとして、市民に親しまれてきたのです。旅行に行くときもお弁当はむさし。ちょっとしたお昼ごはんにも立ち寄るのはむさし。是非っ!一度っ!お越しくださいっ!

息子は一番人気の「若鶏むすび」を注文し、

私は子どもの頃からの大好物「山賊むすび」を注文しました。

バリうめ~~~。両手で掴むほどの大きな三角形の海苔巻きおむすび。塩気の効いたご飯がふわっと柔らかく握られていて、頬張ると、口の中でほろほろ優しくほどけていきます。その中から現れるのはシャケと昆布。味は濃すぎず薄すぎず、昔ながらのおふくろの味って感じで、この素朴さがええんよ!!!!

ああ、予定外の1日だったけど、おかげで最後に山賊むすびを食すことができて良かった良かった。ああ、思い残すことはなくなった。さてと、新幹線の運行状況はどうなっただろう?

 

新幹線口の掲示板を見る感じ、東京からの下り線は未だに60分を軽く超えるレベルで遅延しているけど、博多からの上り線は、少なくとも広島までの区間においては、遅延が解消されているもよう。お、ということは定時には到着しそうだな。ってことは、途中のどこかの駅で足止めを喰らうパターンか。飲料とおやつを余分に用意しとこっと。あと、上司と後輩用にお詫びのお土産を買わなきゃね。

プラットホームに上がり、新幹線の到着を待つ間、息子と賭けをします。さて、「どこの駅で足止めを喰らうことになるでしょーかっ?」、息子は「やっぱ新大阪駅でしょ」。ふむ。ならば「お母さんは京都駅に賭けるわ」。はてさて、どちらの読みが当たっていたのでしょーかっ?!

そうこうしているうちに、「のぞみ146号」が定時に広島駅に到着。おおー。来た来た。ここまでは順調やね。グリーン車の座席は大きくて座り心地がええね。おしぼりのサービスもあるよ。

どうせ車内で長い時間拘束されるんだろうから、この暇を利用してブログの清書やら小説の更新やらをしておこう。脇机にパソコンをセットして、新幹線Wi-Fiサービスに接続……せ、せせ、接続できない……、混雑しているせいか回線が激重で、繋がったかと思うとすぐにブチ切れるという悲しいありさま。それでもなんとか小まめに繋ぎながら作業を進めていると、あれ?新幹線はいつの間か新大阪駅を通り過ぎて、京都駅に到着しようとしている。ふむ、やはり京都駅で足止めか、と思いきや、京都駅も定時に出発。あれれ?気がついたら名古屋駅はもうすぐ。ほんの3分程度遅れているぐらいで、まるっきりと言っていいほど、遅延の影響は受けませんでした。賭けは両方ハズレ!……いや、嬉しい話なんですけどね。

名古屋駅で新幹線を降り、特急しなのに乗り換え。新幹線からの乗り継ぎ客を待つ関係で5分程度遅れて出発。いやいやいや、そもそもこの特急しなのに予定通り乗れるだなんて思っていなかったので、逆にこの「普通の」状況が信じられないっすわー。

でも、そうか、5分遅れが生じているということは、塩尻駅で大月行きの普通電車に乗り換えることができなくなりそうだな。だとしたら、次の上諏訪止めの電車に乗って上諏訪からタクシーで帰るか、そのもう1本次の電車まで待つか、どっちにしようかな……「次は、塩尻中央東線、大月行きは1番線ホームで待機しております」マジでぇぇぇ???!!!

そんなこんなで、当初の予定通り、塩尻駅から普通電車の大月行きに乗り込んで、茅野に向かいます。いやー、どこで遅延の影響を受けるか、そうなった場合の回避策はと、脳内シミュレーションを繰り返していたせいで、ここまで何のトラブルもないという状況が信じられなくて、呆然としてしまう。

「次は、茅野。茅野には2分遅れで到着いたします。お急ぎのところ、遅れまして誠に申し訳ございませんでした」というアナウンスが流れる。待ってくれ!たかが2分程度で謝らないでくれ!むしろ感謝させてくれ!バーフバリを称えるカッタッパのごとく、両手を広げて跪きたい。大きな声で称えさせてくれ!

 

嗚呼、日本の鉄道は素晴らしい!

日本の鉄道は素晴らしいィィィィィ!!!!!!