つれづれぶらぶら

楽しい楽しいお出かけしてきます。お土産話たくさん持って帰るね。しばしお待ちを!

庵野秀明展

昨日(日曜日)、息子と一緒に長野市まで出かけてきました。

というのも、私は私で「週末ビア旅行」を計画していて、今度は長野市のあのブルワリーに行こうと考えていたところだったんですね(その話は次の記事に)。そしたら、図書館のエントランスホールに陳列されていた長野県立美術館の企画展のフライヤーが息子の目に留まりまして、「ねえねえ、『庵野秀明』だって。観に行きたいな」と。

www.annohideakiten.jp

ほほう。『庵野秀明展』の噂はずいぶん前に聞いたことがあったけれど、東京、大分、大阪、山口、新潟、青森と巡ってきて、ついに長野県にやってきたのですか。ほほう。し、しかもあの伝説の「DAICON III オープニングアニメーション」や「DAICON FILM帰ってきたウルトラマン」なども上映されているとあっては、いにしえのヲタクの血が騒ぐというものです。息子よ、おまえは知らなくてもいいが、おまえのおかーさんは、おかーさんはな、いにしえのアウシタンだったのじゃよ(歳がバレる発言)。

てなわけで、日曜日の朝、息子を連れて「特急しなの」で行ってきました、長野市へ。

長野県立美術館は善光寺の裏手の高台にあります。長野駅から歩くとけっこう遠いので、長野駅前のバスターミナルから善光寺方面のバスに乗って「城山公園前」で下車するのがオススメよ。美術館の真ん前よ。

企画展の観覧料は大人1700円、中学生以下は無料。企画展の写真撮影は原則OK(フラッシュNG)で、ダメなものには撮影NGの表示がされておりますとのこと。基本的には映像作品全般がNGで、それ以外はだいたいOKって感じでしたね。

さて、入場、……っと。いきなり現れる若き日の庵野さんにビビる(笑)

最初の展示室は、庵野さんの「原点」ということで、庵野さんが幼少期に夢中になった特撮やアニメ、漫画などの作品群がずらっと並んでいます。

けっこう「本物」が多くて、特撮で実際に使用されたアイテム、例えばウルトラマンのスーツとか、成田亨さんのイラストとか、宇宙戦艦ヤマト機動戦士ガンダムの原画やセル画とか、石ノ森章太郎永井豪などの生原稿とか、いやー、すごいすごい、もうこの部屋だけでも、いにしえのヲタの血が沸騰しそうになっちゃう。息子以上にお母ちゃんのほうが熱心に見入ってたりなんかして。

次の展示室から、いよいよ庵野さん自身の作品群に入っていきます。山口県の高校生時代に描いた絵画や、部活で撮った映画、大学生時代の課題で作ったアニメーションなどは、アマチュア学生とは思えないクオリティの高さで、現在の作品群に連なるものが感じられます。すっごい。

そして、その才能が一気に開花したのが、かの伝説の「DAICON FILM」。後のガイナックスの母体となった同人集団であります。詳しくはWikiで。

ja.wikipedia.org

で、安野モヨコさんの『監督不行届』でも取り上げられていた、伝説の「帰ってきたウルトラマン」。もじゃもじゃ頭の庵野青年がウルトラマンのジャンパーを着て、なぜか顔は丸出しで、大真面目に怪獣と戦う。けっこう丁寧に作られたジオラマをなぎ倒しながら戦う。でも顔は丸出し。そして胸のカラータイマーは「爪楊枝ケースの蓋」。でも本人は大真面目。ごめんなさい、こういう時どんな顔すればいいか分からないの。

マチュア~同人時代の作品群を経て、次の展示室では、いよいよプロのアニメーターとしての庵野さんの制作物がどどーっと展示されております。すげえすげえ。あれもこれも見たことあるやつばっかりだ。そんな中でもひときわ観客が集まっていたのは、やはり『風の谷のナウシカ』、そう、例の巨神兵のシーンの一連の原画です。

やはりものすごい作画だなぁ。爆発、爆風、粘度のある液体が垂れる様子など、その空気や匂いまでもが伝わってくるような絵が、アニメーターとしてのずば抜けた技量を物語っていて素晴らしい。とは思いつつも、原画の枠外にちまちま書かれたスタッフ同士のメモや落書きなんかについつい目が行ってしまう。

庵野さんは仕事が遅いタイプだったらしく、スタッフさんたちのメモも「早くしろ」的なものが多くて思わず笑ってしまう。にもかかわらず落書きをして遊んでいるものだから、スタッフ総ツッコミのありさまである(笑)

もちろん、そんな庵野さんに最も苦言を垂れていたのは「師匠」であるところの宮崎駿監督であって、そんな宮崎さんの落書きも愛(?)に満ちている(笑)

そして、「トップをねらえ!」など、さまざまな作品を経て、ついにエヴァを手がけることになる。企画段階からのラフアイディアや設定資料、脚本、絵コンテ、原画、タイトル画面のタイポグラフィなどなど、制作の裏側をじっくりと鑑賞することができます……、が、多すぎて時間が足りない!じっくり見始めちゃうとこれ半日やそこらじゃ見終わらないぞー!

設定自体も気になるが、さりげなく小さな字で書かれた日付の横の「ガメラ公開日」というメモに、やっぱり庵野さん……という微笑ましさを感じてしまう(笑)

 

そして、皆さんもよくご存知のとおり、エヴァを終えた反動で、しばらく他の監督の作品に参加したり、実写映画を製作したり、自分自身が俳優/声優となったりする期間がありまして。

この期間の中で、私が最も惹きつけられたのは、もちろんこれです。ウラヌス・プラネット・パワー!メイクアーップ!!!

私の性癖を色々とアレしてくれた幾原邦彦監督の『美少女戦士セーラームーンS』、そのウラヌスとネプチューンの変身バンク!これねぇ、すっごい大好きでねぇ、特にここ、ここッ、このッ、ウラヌスが前髪をバッとかき上げてからのッ、唇に光のルージュがキラキラ……ってシーンがッッ、もうホントに好きで好きでッッッ!普段は男の子っぽい天王はるかが美少女戦士になっていく、この一瞬の色っぽさがたまらんのですが、このシーンの絵コンテを切ったのが庵野さんだったとはねッッッ!!!

 

ときめく胸を抑えながら次の展示室に向かうと、そこは「エヴァ新劇」、「シン・ゴジラ」、「シン・ウルトラマン」、「シン・仮面ライダー」といった現在の作品群が並んでいます。息子はゴジラ第四形態がかっこよすぎてたまらんと身悶えしています。でも、私ゃそのゴジラのフィギュアの隣に置いてあるモノのほうが気になるよ。

そうか!ゴジラ細胞はゴーヤだったのか!(違)

こういった制作現場の裏側を垣間見ることができる資料の他にも、実際の撮影に使用したマスクなど、美術品としても価値が高いものが多数あります。見応えあります。

出口ではゴジラウルトラマン仮面ライダーがお見送りしてくれます。最後までサービスサービスぅ!

まぁ、本当に見応えありまくりの展覧会でした。いにしえのヲタク(特にアラフィフ世代)ならば、懐かしさがこみあげてくることでしょう。もちろん現代のヲタの皆さん、そして一般ピープルの方々にもお楽しみいただける展示会であること間違いなしです。

長野展は、来年2月18日まで(水曜、年末年始は休館)。善光寺参りを兼ねて、ぜひ長野市に足をお運びくださいませ。あ、自家用車でお越しの方は、必ず冬装備(スタッドレスタイヤ等)でお越しくださいね。長野県の冬を舐めてはいけない。よろしくどうぞ。