つれづれぶらぶら

お熱さがったお。元気だお。

『侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』

昨年11月に開催された「2019 世界野球WBSCプレミア12」の感動を、あなたは覚えていらっしゃいますでしょうか。

2009年のワールドベースボールクラシックWBC)以来、世界一の座から遠ざかっていた野球日本代表チーム(通称「侍ジャパン」)が、10年ぶりの優勝を勝ち取るまでの物語、その感動を。

で、そのプレミア12のドキュメンタリー映画が、このたび公開された次第なのです!


映画『侍の名のもとに~野球日本代表 侍ジャパンの800日~』60秒予告2020年2月7日(金)より2週間限定ロードショー‼

 

侍ジャパンドキュメンタリー映画といえば、前回の2017年3月のWBCを追いかけた『あの日、侍がいたグラウンド』以来ですね。 

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 『あの日、侍がいたグラウンド』は「全国10館のみ&1週間のみ」という極めて限定された公開だったもんで、新宿バルト9まではるばる行かなきゃなんなかったんだけど、今回の映画は全国80館・2週間の公開ということで、ずいぶん観やすくなりました。

えーと、近場は、長野県なら長野市の長野グランドシネマズ、山梨県なら甲府市のTOHOシネマズ甲府かぁ。茅野市だと甲府のほうが近いな。車で一般道を走っても1時間半弱で着く。朝10時5分の上映に余裕で間に合うぞ(∩´∀`)∩

今回も息子を誘ったんだけど、野球にも映画にもたいして興味のない、さらに最近ちょっと親離れし始めた小学5年生の息子は「ぼく行かなーい。おるすばんしてるからお母さん一人で行ってきて」だってさ。ちぇ(と言いつつウキウキ♪)

 

で、車を飛ばしてイオンモール甲府昭和の中にあるTOHOシネマズ甲府へ。チケットを買い、ポップコーンとカフェオレを購入して、映画館の中へ。

入口で、来場者限定プレゼントのオリジナル缶バッチをゲット。さーて、誰の缶バッチかなっと♪

 

…………お、………大竹寛、かぁ……………(※1)

いや、別に文句なんかないよ、カンちゃん良い投手だよ、うん………。

※1 なぜ微妙なテンションになっているのかというと、大竹投手は元カープだったのだが、FAでジャイアンツに移籍してしまい、なまじ愛されたキャラクターだっただけに、その移籍時のトラウマが未だに一部のカープファンの心に染みついているのだ。

 

それはさておき、映画はね、ホントに良かったよ!!!!!

ストーリー(試合展開)はもう皆さんの知るところだから、ネタバレは全く気にしないでガッツリ感想を書きまーす!

 

まず何が良かったって、観客の歌う「ヤスアキコール」が聞こえてくるところから映画が始まる(※2)という、このイントロの部分がとっても良かった!

※2 「ヤスアキコール(ヤスアキジャンプ)」とはDeNAベイスターズで抑え投手を任されている山崎康晃投手の登場曲であるZombie Nationの『Kernkraft400』に合わせて、観客が「ヤ・ス・ア・キ!」と合いの手を入れながら飛び跳ねるという、山崎投手特有の応援スタイルである。

 

ヤスアキコールが流れているということは、つまり、試合は最終盤の9回。しかも山崎投手が9回を抑えた試合といえば、こりゃもう間違いない、韓国との決勝戦!なんと、いきなりこの場面から始めるとは!

カメラはグラウンドを映し出さず、ベンチ内の選手たちの足元の間をさまよい続ける。選手たちの興奮した声が聞こえる。「ヤスアキ、いけーっ!」マッチ(※3)の声でっけぇ。2アウト、既に選手たちの足はベンチから半分飛び出しそうになっている、そのそわそわした高揚感。あの感動の優勝の瞬間まで、あとほんの1アウト――!!!

※3 福岡ソフトバンクホークス内野手松田宣浩選手の愛称。

 

このイントロ部分ですっかり心を掴まれた感じ。たまんねぇやな( *´艸`)

で、本編はというと、稲葉監督の就任からの日々を軸にして、その過程で監督やコーチが何を考え、選手たちに何を伝えたか、を丁寧に追いかけていく内容でした。

完全密着ドキュメンタリーということで、普通は絶対に見られないはずの代表選手の選考会議の様子や、ブロックサインの打ち合わせや、試合前ミーティングなどの風景も赤裸々に流れます。いいのか、ここまで見せちゃって。でも、おかげで監督の意図がよく分かって、あの試合をより深く理解することができました。

 

特に、代表選考の際に議論されていたのが、ソフトバンクの周東佑京選手。2018年に開催された23歳以下の若手選手による国際大会に参加した時は、まだソフトバンクの育成選手(正式な選手ではない)だった周東。彼の武器はただひとつ、塁に出れば圧倒的なスピードで必ず本塁に戻ってくるという「走力」のみ。

周東を強く推す稲葉監督に対し、コーチの誰かが「オリンピックには考えているんですか」と問いかける。すなわち、今回のプレミア12を来る2020年のオリンピックの最終選考の場と捉えるならば、プレミア12のベンチ入りメンバーが28人と定められているのに対し、オリンピックでは24人。要するに4人少ない。だとすると、走・攻・守の全てを兼ね備えている選手を優先するべきであり、走のみの周東をプレミア12で使う意味は何か、と問うているわけなのです。

それに対し、稲葉監督は「だからこそ“スペシャリスト”をベンチに置く意味をここで試してみたいんだ」と説明する。実際に試合の中で使ってみないと、スペシャリストの存在が必要かどうかが分からないから、と。

 

稲葉監督がもうひとつこだわったのが、ムードメイカーの存在。

「強いチームじゃなく、“いいチーム”にしたい」と、結束力の重要性を何度も説く。そして、そのために絶対に必要だったのが、マッチ。

36歳、もう決して若くはない。おそらくスタメン入りすることは少ないだろうことは、マッチ自身も覚悟している。そしてその上で、自分が監督に期待されていることを完全に理解し、若手に率先して声を張り上げ、時には道化役にもなり、チームをひたすら鼓舞する、その姿。

 

そういう「自らの役割」を意識している、何も指示されなくても何をすべきかが分かっている選手、というのが侍ジャパンのトップ選手だと思いました。

 

周東が三盗を決めた直後に、相手の意表をつくセーフティスクイズを仕掛け、貴重な1点をもぎ取った源田選手。「あれはベンチからの指示だったんですか」と尋ねる取材者に対し、「いや、転がせば何か起きそうだと思ったから」と自分自身の判断であったことを答える源田。

 

チャンスで攻める気持ちを持てずに大事な場面で見逃し三振を喫してしまった鈴木誠也は、ベンチ裏で悔しがる。その後にタイムリーを打って取材陣から褒められても、顔をしかめて反省の言葉を口にする。そして次の日からは自分がすべきこと(三試合連続ホームラン)をやった誠也。

 

あ、誠也といえば、もーねー、この映画は「天然ゴリラの誠也ちゃん」の魅力もりもりだったわよ( *´艸`)

大事な場面に寝坊する。インタビュアーの質問を忘れる。先輩である山田哲人選手のヘルメットを間違って被ってしまう。「侍ジャパンの四番打者」なのに、やっぱりいつもどおりのおバカの誠也。そこがファンにはたまんなく可愛くて、劇場内は何度も笑いに包まれていました。

 

この映画のクライマックスは、秋山選手の骨折による離脱。

稲葉監督が最も信頼している選手。菊池が「キャプテン」と勝手に呼んでじゃれつくほどのリーダーシップ。誰よりも優勝への執念を持っている選手。

秋山がチームを離脱する時に「絶対に優勝してシャンパンファイトには呼ぶから」と約束する菊池。そしてその自らの言葉を守り抜くために、初戦の劣勢の試合の中、菊池は起死回生のヒットを放つ――このへんはもはや週刊少年ジャンプの漫画みたいな感動シーンでした。でもこれ、漫画じゃなくてリアルだけどね。

 

そして、映画のラストはまた「ヤスアキコール」のシーンに戻っていく。イントロシーンで映し出されなかった選手たちの表情を映し出す。勝利の場面で飛び出していく選手たち。その中に加わる秋山選手の姿。

 

いやー、本当に良い脚本でございました。って、これリアルですけどね。

やっぱ野球はいいなぁ。優勝っていいなぁ。シャンパンファイトいいなぁ。皆が笑ってる。稲葉監督が泣いている。いい映画だなぁ……。

 

オリンピックでは、どんな感動が待っているんだろう。その映画はどんなシナリオになるんだろう。今からワクワクが止まりませんっ!