愉快痛快ドンパチ犯罪アクション漫画『BLACK LAGOON』が、連載20周年を迎えたそうです。おめでとうーヾ(*´∀`*)ノ
悪党どもの吹き溜まり、架空都市「ロアナプラ」を舞台に、人の命なんざァ酒のつまみぐらいにしか思っていない犯罪者どもが、来る日も来る日も愉しくドンパチドンパチ殺し合う、まァ、なンだ、悪党版トムとジェリーとでも言えばいいのかな、仲良く喧嘩しな、って感じの漫画です(かなり語弊)。
脳味噌は単細胞レベル、万事チャカで解決したがる可愛いトゥーハンド(二丁拳銃)使いのレヴィと、女運が最悪な天才ハッカーのベニー、そしてそんな猛獣みたいな部下をうまく操縦している傭兵崩れの大男・ダッチ。そんな愉快な3人が営むのは、クライアントの要求とあらばどんな手を使ってでも確実に仕事をこなす運び屋・ラグーン商会。ご用命とあらばどんなものでも運び、「たまにゃ御法に触れることもある」。そうだろ?
そんなラグーン商会に、ひょんなことから加わることとなった平凡な日本のサラリーマン・岡島緑郎――いや、その名はとうに捨てて、「俺の名は、ロックだ」。ひゅう。覚悟の決まった漢の姿は、カッコイイ。
クライアントもまたとんでもない大悪党ばかり。とりわけ上得意先は、ロアナプラを実質的に支配している2つの勢力――バラライカ率いるロシアン・マフィアの「ホテル・モスクワ」、そして張(チャン)率いるチャイニーズ・マフィアの「三合会」。
そして、一癖も二癖もある命知らずの「お客様」たちが、数々の厄介事を抱えて、よせばいいのにロアナプラに迷い込んできて、今日も今日とて、ロアナプラは爆音と硝煙に包まれるドキドキのサバイバルステージと化すのであった――!!!
いやー、本当に面白い漫画なんですよ。どっかんどっかん人が吹き飛んでいくけど、なんかもう、ここまで来たらアレだね、時代劇の立ち回りを見ているような気分だね。ロベルタがメイド服の裾を持ち上げたら即ちゅどーん、悪魔の双子たちが大鉈を振り上げたら即ぶしゃー。平野耕太先生の『ヘルシング』あたりが好きなら絶対にこっちも好きなはず。
で、この素敵な漫画は、かつてアニメ化され、3期(テレビシリーズ2期+OVA1期)まで制作されております。そのアニメ版の監督・シリーズ構成・脚本を務めたのは、前にもお話ししたとおり、『この世界の片隅に』の監督でもある片渕須直さんなのでした。
少女の自立を描いた『アリーテ姫』、こどもたちの日常を描いた『マイマイ新子と千年の魔法』、そして戦時中の人々の健気な生き様を描いた『この世界の片隅に』、あるいはNHKの震災復興アニメ『花は咲く』などから受ける温厚で理性的な片渕監督作品の印象からは、一見すると、『BLACK LAGOON』はまるっきりの正反対のように見えるかもしれません。
でも、ちゃんと観ていると、「あー、同じだわ」と思えてくる不思議。監督の中では『BLACK LAGOON』も『この世界の片隅に』も『エースコンバット』も、ぜんぶ、ちゃんと繋がっているんだよなぁー。
『BLACK LAGOON』 のアニメ化に難色を示していた広江礼威先生が、片渕監督が『エースコンバット04』を手がけたと聞いてあっさりOKを出した話は、片渕監督の「β運動の岸辺で」で語られている。
実際、とんでもない知識量を誇る軍事マニアの片渕監督と広江先生との相性は最高だったわけですよ。アニメ化に当たっては、漫画のコマの外に描かれたブツの類いも全部動かさなきゃいけないわけなんだけど、これがまぁー………片渕監督………おそらくイキイキしてやってたんだろうね、この仕事………(;^ω^)
そして、パッと見にはドライで残忍、いつも物騒なことばかり言っているあの悪党連中にも、ちゃんとそうなるに至った背景があって、その重みを抱えて必死になって生き抜こうとしていることが、ドラマが進むにつれて分かってくるんです。あの悪魔のような双子たちの結末の、何と悲しいこと!アニメ版15話のスペシャルエンディングはもう、何度見ても涙腺が決壊してしまう、うううー。こどもを不幸にしたらあかんのや、あんなふうに育てた世界があかんのやー(´;ω;`)ブワッ
というわけで、連載20周年を記念して、ただいま「サンデージェネックスYouTube公式チャンネル」にて、アニメ版『BLACK LAGOON』の1期&2期を期間限定無料配信中でございますー!毎週水曜日19時に1話ずつ公開されるそうなので、ぜひぜひこの機会にご覧ください!お見逃しなくッ!
何はともあれ見てもらいたいのは1話と2話ね。全ての始まり、岡島緑郎がロックになるまでの物語。何が良いって、2話のブラックラグーン号と戦闘機の一騎打ちのシーンですよ。ギリギリ逆転の奇跡のカウンターパンチ。してやったぜー!とイキるロックの表情の晴れやかなこと。また、ロアナプラ(タイ国にあるという設定)の海の色の美しさときたら!
また、洋画みたいな独特の台詞回しも、つい真似したくなるカッコ良さに溢れています。アーメン・ハレルヤ・ピーナッツバター。