つれづれぶらぶら

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『思えば遠くにオブスクラ』私も読みました

こないだ、私が書いた『税金で買った本』のレビュー記事が、はてな公式ブログさんでピックアップされましてね。

blog.hatenablog.com

いや、まぁ、ホント、はてな運営さんはこんな辺境ブログまでよく目を通していらっしゃる。これこそがウェブサイト管理人としてのプロフェッショナル仕事の流儀だよなぁ……じゃじゃじゃーん、じゃじゃじゃーん、じゃじゃじゃじゃーん……。


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あ、えと、脱線しまくってますが、はてな編集部の谷口さん、先日はどうもお世話になりました。私のだらだら長文をスキッと要約して、なんかカッコイイ感じにまとめてくださってありがとうございました。これからも頑張って面白い漫画を紹介していきますね。

 

で、この公式ブログにピックアップされていた漫画の中で、音江 鈴さんが紹介された『思えば遠くにオブスクラ』という漫画がちょっと気になって、試し読みをして面白そうだなぁと思っていたところ、先日、ビアフェスの後で酔っぱらいながら立ち寄った松本パルコのヴィレッジヴァンガードにちょうどあったので、おー、これこれ、これも買うてこ、と『琥珀の夢で酔いましょう』とまとめてドサッと買ってきたのでした。

試し読みページはこちらからどうぞ。

souffle.life

何の計画もなく海外移住したフリーカメラマンの片爪亜生(かたづめあき)は、移住先のドイツ・ベルリンで、音響アーティストの石根莉加(いしねりか)とルームシェアをしながら新しい生活を始める。やがて、片爪の大学時代の後輩でグラフィックデザイナーの王子多華子(おうじたかこ)も加わり、3人は慣れない海外生活の中でさまざまな経験を積んでいき、少しずつ変化していく……という物語です。

 

上巻の途中ぐらいまでは、海外移住あるある漫画のような雰囲気で進みます。ベルリンのグルメはなんと「ケバブ」だとか、ドイツの家庭のクーラー普及率はたったの3%だとか、風邪ぐらいでは医者や薬局に行っても薬は出してもらえないとか、日本人から見ると「えっ」と驚くことが色々と紹介されます。移住先で文化の違いに遭遇する漫画といえば、以前『サトコとナダ』をご紹介しましたが、それに近い雰囲気を感じます。

sister-akiho.hatenablog.com

 

しかし、下巻に入ると、この漫画はぐっと趣が変わり、物語が動き始めます。そのきっかけとなるのは、片爪が「服部洋子」という老婦人と出会い、ある依頼を受けることなのですが、その仕事を通じて、片爪は自分自身のコンプレックスと向き合うことになります。それと時を同じくして、石根からの予想外の提案により、3人はまた大きな転換点を迎えることになるのでした。

下巻はとても内省的な内容で、3人のキャラクターの内側に焦点が当たり、物語としての奥行きもぐんと深まります。帰属意識やこだわりから少しずつ解放されて、自分にとってホッとできる「居場所」を探していくような。

 

メインキャラクター3人のうち、最もチャーミングなのは石根さんです。「歩く乱数」というか、考えるよりも先に行動するタイプのパワフルで楽天的な彼女は、変人という一言では括り切れない魅力に溢れています。すぐに友達を作れちゃうし、誰に対しても臆せず尋ねることができる能力は、同居人としては最高に頼りになるんじゃないでしょうか。いや、ま、そのぶん失敗も多いんだけどね。

 

料理のシーンが多いのも、この漫画の面白いところです。日本の食材が手に入らない中でどのように日本食(っぽいもの)を作るかと試行錯誤したり、現地の屋台などで売っている料理や食材を味わうシーンが楽しいです。とりあえず下巻で紹介されている「Deep Fried Sushi Roll」(巻き寿司に衣をつけて揚げたもの)がすごく気になります……寿司なのにジャンクフード……衣のザクザク感……気になる……。