お久しぶりです、「YouTubeの再生リストをカセットテープ仕様で作ってみた」シリーズ、その第13回目です。なお、これまでに作成した再生リストについては、こちらの記事にまとめておりますので、よろしかったら併せてご覧くださいませ。
次の再生リストのテーマは何にしようかなぁと、つらつら考えていたんですが、なんせここんとこずーっとクラフトビールのことばっかり考えているせいで、なかなか他に良いアイディアが浮かばない。えーい、それじゃあもうビールでいいじゃないですかビールで!と思ったものの、はて、ビールの歌ってそんなにたくさんあったっけな?
自分でも範囲があまりにも狭すぎると感じたので、じゃあその他の酒類もひっくるめてお酒に関する歌を集めてみようと決めたんですが、いざ「お酒 歌」で検索してみるとですね、なんつーか、陰陰滅滅とした、無理して飲んじゃいけないよ的な、飲んで飲んで飲まれて飲んで的な、昭和の演歌とかムード歌謡とかフォークソングとかが一気に集まってくるんですわ。違う違う、そうじゃ、そうじゃなーい。そういう過去の辛い思い出を思い出しながら飲んで泣いてます系の曲は求めてないっちゅーねん。
もうちょっと明るいのはないのかなぁと方向性を変えてみようとしたら、今度は、いわゆる「飲みサー系」と言いますか、昭和の時代で言うところの「イッキ曲」みたいなのがばんばん集まってきましてね。ちーがーうー。そういうのも求めてないんだってばー。その手の飲み会はトラウマというか、そうだよ、あの手の飲み会でさんざん無理やり飲まされたせいで、私はビールが大嫌いになってしまっていたのでした。アルハラ、ダメ、ゼッタイ。
そういうんじゃないんです。私が求めているのは、あくまでも、気の合う人たちと楽しく、あるいは一人でまったりと、自分のペースで味わって飲む、という心地良いシチュエーションを想定しているわけで、そういうシーンに合う音楽であってほしいわけです。もっと厳密な用途を指して言えば、週末ビア旅行に向かう電車の中でイヤホン差して聴きながら素敵なビールとの出会いの予感にワクワクしたい、そのための再生リストです。
そんなわけで、今回のコンセプトは「お酒」。とりわけクラフトビールへのリスペクトが感じられる楽曲をメインに、色々と探し回って集めてみました。今回追加した再生リストは「つれづれカンパイA面」と「つれづれカンパイB面」です。なかなかにお洒落な感じのリストに仕上がったんじゃないかと自負しております。お気に召したら聴いていってくださいな。
そして、このカセットテープ仕様の再生リストに課せられる2つの「リスト作りに関するマイルール」をおさらいしておきますね。
① 動画の時間数で計算して、A面23分前後・B面23分前後の2つのリストを作る
② アーティスト又はレーベル公式サイトに掲載された公式のミュージックビデオで、さらに無料公開されているものだけを使う
ではでは、さっそく1曲ずつご紹介していきましょう!
【つれづれカンパイA面】総時間数23分01秒
Die Kellerknaben「Ein Prosit」
今酒ハクノ「クラフトビールのように」
和田アキ子「KANPAI FUNK」
ものんくる「スーパールーパー」
みゆな「缶ビール」
Tani Yuuki・菅原圭「Cheers」
くるり「ソングライン」
【つれづれカンパイB面】総時間数23分01秒
水曜日のカンパネラ「ガラ」
iri「摩天楼」
TOMOO「酔ひもせす」
Lucky Kilimanjaro「350ml Galaxy」
ヤッホーブルーイング社歌「ビールでつくろう」
今回のラインナップはこうなりました。ビールでA面が始まって、B面ではその他のお酒も加わって、でもラストはまたクラフトビールに戻ってきて終わる、という感じの構成になっております。
A-1は、ドイツのビール祭・オクトーバーフェストでは定番の乾杯曲。今回、集まった曲の総時間数を集計していたら、40秒ほど足らなくてですね、うう、こんな中途半端な長さの短い曲なんてあるかよ……と頭を搔きむしっていたところ、そうだ、甲府のビアフェスで皆で合唱したアレがあるじゃんか!と思い出したのでした。そうなったらこれはもう先頭に置くっきゃないよね。結果オーライ。ちなみにドイツでは「ジグザグジグザグ!」ってコールされたら「オイオイオイ!」って返すのがお約束らしいよ。
A-2は、「酒クズ系バーチャルYouTuber」という肩書でご活躍中の今酒ハクノさん。クラフトビール批評本をお書きになっているのでお名前は存じ上げていたのですが、歌を聴くのは初めて。いやぁびっくりしました、めちゃくちゃイイ声じゃないですか!耳に残るハスキーボイス(酒焼け声と言うべきか)でファンキー、ラップも超カッコイイ!ビールに関わる単語をさりげなく散りばめて、過去の地ビールブームの挫折も織り込んだ上での「こんな装備から世界を射止める」という、クラフトビールブルワーに対するリスペクト溢れる歌詞に痺れますわー!
A-3は、ゴッド姉ちゃんこと和田アキ子さん。「YONA YONA DANCE」に続いて若手アーティストとタッグ。アッコさんのファンキーでソウルフルな歌唱力が惜しみなく炸裂した気分爽快な一曲です。やっぱ良い声だよな~!若い頃、テレビ局の見学会でアッコさんの生歌唱(リハーサル)を聴いた時、スタジオ中の空気を動かすような迫力のある声に圧倒されたことを思い出しますよ……。
A-4は、ヤッホーブルーイングのクラフトビール「水曜日のネコ」をイメージして作られたという、ものんくるさんのオトナしっとり曲。日々ばりばり働くスーパーウーマンが、約束の土曜日を待ち望みながら、週半ばの水曜日の夜にスーパーウーマンの仮面を外してちょっとだけビールで一息つく、というコンセプト。MVの中を悠然と歩く水ネコが可愛いね。
A-5は、大人と子供のあわいに立つ女の子の焦燥感や苛立ちを歌う、みゆなさんのセンシティブな曲。缶ビールが大人の象徴、バニラアイスやチョコレートが子供の象徴かな。早く大人になって苦い世界に出ていかなきゃと背伸びしたがる心とは裏腹に、心の奥底ではまだ甘い子供の世界に閉じこもっていたいという気持ちが表現されていますね。それにしても今回はなかなか良い声が揃ったなぁ。
A-6は、「MAISONdes」というポップミュージシャンのコラボレーション企画の中の1曲で、サントリー「東京クラフト」のキャンペーンソングになったもの。ちょっと切ない感じのメロディと、菅原圭さんの巧みな節回しが印象的。色んな対立や別離なんかもあったけど、そういった苦い経験も含めて、この出会いの奇跡に乾杯しようよ、というオトナっぽい歌詞がイイですね。
A-7は、くるりの名曲のひとつ。くるりが「野球」をリリースしていなかったら、「つれづれ野球」には多分この曲をチョイスしていたはず。歌い出しがビールの銘柄だからこっちで選出しておこう。ビートルズやボレロ、はたまたカープの応援歌など色々なメロディが複雑に重なり合う力作。あ、ちなみにカントリーは元カープのエルドレッド選手の愛称で、センチュリーは広島駅前に以前あったホテルの名前ね。カープファンにはあの1行で「新幹線で広島に来てズムスタでサントリー飲みながらカープを応援している」というシチュエーションだと分かるのだよ。
B-1は、コムアイ時代の水曜日のカンパネラ。サントリーのスパークリングワイン「フレシネ」のCMソングとして作られたこの曲は、サルバドール・ダリの妻がモチーフ。詩羽ちゃんも好きだけど、コムアイの表現力の高さもやっぱり好きで、この曲なんか酔っぱらってんのかと思わせるような奔放な歌い方がすごく魅力的。金色の泡が揺れ動くこのMVも官能的でとっても素敵。
B-2は、最近お気に入りのiri。この声ホンマたまんねぇ~。スコッチの酔いにかこつけて、この渇きに似たロマンスを一気に加速させてしまおうという、ちょいとアグレッシヴな恋愛ソング。いつにも増して攻めたファッションのiriちゃんがめちゃくちゃカッコイイ。どうでもいいけどコメント欄の「そのつぶ貝みたいな髪型はiriだから似合うんよ」に噴いたwww
B-3は、そろそろお馴染みになりつつあるフィロのス。おとはすが加入していた4人体制の頃のお洒落ナンバー。年下の男の子をたしなめながら、いつの間にかこっちのほうが夢中になっちゃったかも……というお姉さんラブソング。モノクロのレトロ感ある映像の中で歌い踊る4人の姿に魅了されちゃってください!おとはすの声やっぱ可愛いな~。
B-4は、こちらも最近お気に入りの「イイ声」TOMOO。このアイドルのようなルックスからの、パンチのあるややハスキーなボイスのギャップがやっぱ大好きっす。「梅酒」や「カルアミルク」といった言葉が入っているのでチョイスしましたが、こちらもまた酔いにかこつけてロマンスをちょっと強引に進めちゃおうかなという春のラブソングですね。
B-5は、ハッピーヒマラヤ、じゃなくてLucky Kilimanjaro。ルール的にはできればMVを使いたいんだけど、この曲のMVがなくて(ライブヴァージョンはあったけど尺が長すぎた)どうしようかなぁと最後まで悩んでたんだけど、この曲の歌詞がね、結局のところ、この再生リストのコンセプトそのものなわけで、外すわけにゃいかんのですよ。っていうか、クラフトビール好きならこのタイトルの「350ml Galaxy」の時点で嬉しくなるじゃないですか。350mlはビール1本、Galaxyは柑橘系の香りが魅力的なホップ。他にも「エール」や「よなよな」といったクラフトビール好きの心をくすぐる言葉が散りばめてあって、しかもビールを嗜んだ後は歯磨きしてベッドへGo!というスマートなビールとの付き合い方!これこれ、これが言いたかったんだよ~!と思ったので、やっぱり再生リストに加えました。ところで、ラッキリ聴くの初めてだけど耳によく馴染むなぁと思ってたんだけど、調べてみると東京女子流の楽曲を手がけてたんですね?なるほど!
B-6は、オマケとして、ヤッホーブルーイングの「社歌」をチョイス。Aー2でクラフトビールブルワーをリスペクトしたんだけど、やっぱ最後にご本人登場と言いますかね、実際のブルワーさんたちの声を聴きたいなって。っていうか、この歌、シンプルだけど歌いやすくて、聴けば聴くほど「いい歌じゃん」って思ったんですよね。ビール「を」つくろう、じゃなくて、ビール「で平和な世界を」つくろう、っていうのがイイよね。カンパーイ!
今回の再生リストはこんな感じになりました。全部通して聴いてみると、全く意図してないものの「イイ声あつめました」みたいなサブテーマが現れてきちゃった感じっすかね。うん、イイ再生リストになったと思います。どうぞご活用くださいね。満足しているので今回は裏話は無しでーす。