つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

『23時のおつまみ研究所』

いつものように図書館で色々な書架を見て回っていたところ、分類番号596【料理】の棚に、可愛らしい表紙の本があったので手に取ってみました。

タイトルは『23時のおつまみ研究所』。

【おつまみは「料理」にあらず「娯楽」なり】という表紙のキャッチコピーに、お、なんだか面白そうじゃないか、と借り出してきました。

この本は単なるレシピ本ではありません。お酒に合うおつまみにはどういう要素が重要となるのかという点について、実際にあれこれと試行錯誤を重ねていく、お料理エンターテイメント本です。もちろん、レシピ本としても使えますよ。

おつまみに要求される要素とは、例えば、香り、食感、塩気、旨味、温度と刺激など。そのひとつひとつについて、「かまぼこは何㎝がおいしい?」とか「あじなめろう、何回たたくとおいしい?」などの、マニアックかつ楽しい実験ページがあったりします。また、ひとつの料理素材に対してどれだけ「味変」で楽しめるか、などの研究も楽しいですよ。中には、えっ、こんな調味料も合うの?なんて驚くものもあったりして、思わずすぐに試してみたくなっちゃいますね。

また、この本は「読み物」としても楽しめますよ。ところどころに挟み込まれるスケラッコさんの可愛らしい漫画が、この本の全体を貫く物語仕立てになっているのです。

漫画の主人公は、定年退職して現在は嘱託として働いている平凡な中年男性、山之内テツロー(61才)。ひょんなことから一人暮らしを始めることになり、初めて料理をしてみたものの、どうやったってうまく作れそうだと思った「野菜スティック」が、なんとなくイマイチな仕上がりに。そんなテツローがたまたま訪れた居酒屋「のみ処きつね」は、なんと、23時になるとキツネの「大将」が運営する「おつまみ研究所」に早変わりするのだった────という物語。

大将とテツローさんの軽妙な掛け合いが面白いです。そして、大将が語るおつまみの極意は、科学的な根拠に裏打ちされていて、ふむふむと納得させられることばかりです。例えば、人間がおいしく感じる温度は、体温との差が25%前後のものなんですって。なので、体温を36度とすると、温かいものなら60~70度ぐらい、冷たいものなら5~11度ぐらい。つまり、野菜スティックは5度に冷やしておけ!ということ。ふむふむ、勉強になるなぁ。

 

個人的に嬉しかったのは、焼き野菜を推奨してくれていること。そうそう、焦げ目がつくと野菜は「飲める(=おつまみになる)」んだよなぁ~。焼いて焦げ目がついたブロッコリーは香ばしくてとっても美味しくて、とにかくビールによく合うんだなぁコレが!

sister-akiho.hatenablog.com

なんで焦げ目がつくと美味しくなるのかっていう理屈は考えたことがなかったんだけど、この本によると、この焦げ目は「メイラード反応」といい、素材の持っている糖が、焼くことによって反応し、香ばしさやコクを生み出すからなんですってさ。

で、この本にはブロッコリー以外にも色々な野菜を焼いてみようというアイディアがたくさん載っています。こないだ春キャベツを焼いたのも実に美味しかったなぁ。

sister-akiho.hatenablog.com

そこで、今夜はこの本のアイディアから、「冬の焼きかぶ」と「しいたけしょうゆバター」を作ってみることにしました。

小かぶは、葉を2㎝残して6等分に切り、水に5分つけておきます。下ごしらえはたったのこれだけ!皮は剥きませんし、葉の付け根のところに溜まった泥も取りません。水に5分つけておくだけで泥は取れやすくなると書いてあったのでそのとおりにしてみたんですが、確かに5分で泥はキレイに取れました(ボウルの底に砂が落ちてました)。

フライパンに油をひいて、かぶを並べ、蓋をしたら中弱火で加熱して、しばらく放っておきます。良い感じの焦げ目がついたらひっくり返して、またまたじっくり加熱。あまりちょこちょこいじっちゃうと焦げ目がつきにくい上に形が崩れやすいので、なるべくいじらずに放置しておきましょう。

両面にいい焼き色がついたら、全体に軽く塩を振り、粒マスタードを添えて、はい完成!うわぁ!簡単すぎる!こんなんで本当にいいの?……と思いつつ、粒マスタードをちょんとつけたかぶを口に入れると、美味しいんだなぁこれが!外側の皮はしっかりとした歯応えがあって、グッグッと噛みしめる感じ。すると内側はとろ~んと柔らかくとろけて、かぶそのものの甘みがしっかりと感じられます。そこにアクセントとなる粒マスタードの刺激!こりゃ旨い!皮と内側の食感の違いが楽しいね。また作ろうっと。

 

しいたけは、近所のスーパーで肉厚のいいものが安く売られていたので、思わず買ってきました。何をどうしたって美味しくなりそうな食材だけど、この本で最高の組み合わせとして紹介されていたのが「醤油×バター」の組み合わせ。めんつゆだとトゥーマッチになって合わないので、シンプルに醤油で食べたほうが個性が引き立つ、とのこと。

うん、まぁ、これはもう約束された安定の美味しさって感じやね。じっくりと焼き色をつけたしいたけが、バターと醤油の塩気とコクを吸い込んで、もはや旨みの玉手箱や~としか言いようのない一品です。うん、ビールが進むぞ!

 

そんでもって今夜の晩御飯は、この2品に、いつもの暗殺者のパスタ。もうレシピ見なくても簡単に作れちゃう。先に具材を炒めておいて別の皿に取っておき、スパゲティーをオリーブオイルで焦げ目がつくまで焼いたら、麺がひたるぐらいの水、トマトジュース、コンソメブイヨンを加えてぐつぐつ煮こんで、水気が少なくなってきたところで具材を戻して、最後に既製品のアラビアータのパスタソース(1人前)を加えてよく混ぜたら、火からおろして完成。いやもう簡単簡単。全部フライパンひとつで完結しちゃうのが主婦的には最高だわよ。洗い物が少なくて済むもん。

てなわけで、本日の夕飯はこんな感じになりました。余ったカブの葉は味噌汁の具にして、卵でかきたま汁にしました。カボチャコロッケは既製品。

もちろん、忘れちゃいけないのはビールです。この組み合わせなら王道のIPAかな~なんて考えながらペアリングしてみましたよ。ビール自体の感想はまた後日の記事にまとめることにしますが、ペアリングの感想としては、そりゃあもう、旨くないわけがない!焼いたかぶとしいたけが冷えたIPAにめちゃくちゃ合う!さすがはキツネの大将、大正解ですよ!

 

料理は「家事」だと考えてしまうとちょっと面倒くさいけど、好奇心ひとつで「娯楽」にもなり得るんですね。そんな楽しさを教えてくれる一冊でした。家事経験者も未経験者も、酒飲みもそうでなくても、とにかく手に取ってほしい楽しい本です。オススメ!