つれづれぶらぶら

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週末ビア旅行【うちゅうブルーイングタップルーム(山梨県北杜市)】

私がクラフトビール沼にハマってから1年が経過し、まだまだ未体験ゾーンが多いもののそれなりには知識も深まってきて、自分の好みのビールもだいたい分かってきたところです。でも、基本的に飽きっぽい性質なので、そろそろ飽きてきて…………ません!まだまだクラフトビールの面白さを楽しんでいきたいと思っているところです。

で、こないだの8Peaks BREWINGさんのビジネスセミナーの中で「ビールに旅をさせるのではなく、お客様に旅をしてもらう」という提案があったことに感銘を受け、そうだよなぁ、ビールを取り寄せて自宅で飲むのも悪くはないけど、そのビールが生まれた処へ行って飲む、そういう目的で旅行するのも楽しそうだなぁ、と思ったのでした。

sister-akiho.hatenablog.com

そんなわけで、せっかくの3連休だし、どこか日帰りでビールを飲みに行こうかなと考えたのでした。実のところ、行ってみたいブルワリーやビアバーの目星は既にいくつかあるのですが、まぁ、いきなり遠くへ行くのも何ですし、とりあえずは近いところから始めてみようかな。

っていうか、もったいぶってごちゃごちゃ言っていますが、要するに、1年も前から「あそこ」に行きたがってたでしょーが、「あそこ」に!

 

うちゅうブルーイングさんのタップルームに!!!

sister-akiho.hatenablog.com

 

このブログでは既に何回もご紹介していますけれども、何しろ近すぎていつも自家用車で行くもんだから現地でビールが飲めない。いつも、その場で飲んでいる人たちを横目に眺めて、いいなーと指を咥えながら、缶を買って帰るだけだったんです。

「旅行」と銘打つにはあまりにも近いけれども、まずはこの心残りを解消してからでないと始まらない、そんな気がします。よーっし、今日はJRで小淵沢まで出かけて、憧れのうちゅうさんのタップルームでビールを飲んでみよう!!!

 

茅野駅から小淵沢駅までは、中央東線普通列車でほんの5駅先。乗車している時間は22分程度です。ホントにすぐ近くなのよね。

小淵沢駅で降り、駅前の観光案内所で「道の駅こぶちざわ」までの徒歩の経路を示した地図をもらいます。「ここからですと、歩いて30~40分はかかりますよ。しかもずっと登り坂なので、けっこうしんどいかもしれませんよ」という案内に少しビビります。どうしよう、タクシー使っちゃう?という考えが脳裏をよぎりますが、いやいや、ここんとこ運動不足だし、ここでカロリーを消費せんでどうする、と自分自身を叱咤しつつ歩き始めます。

小海線の線路をくぐり、ひたすらてくてくてくてく細い道を歩き続けます。ここんとこぐっと涼しくなってきたので長袖のシャツを着てきましたが、坂をずーーーーっと登っていくうちに汗がじんわり滲んできました。ふう、ふう、はぁ、はぁ。うう、しんどい。いつになったら着くんだ────と音をあげそうになった時、ようやく行く手に見覚えのある風景が見えてきました。「道の駅こぶちざわ」に隣接するホテル「スパティオ小淵沢」。うちゅうさんのタップルームは、このスパティオの中庭にあるのです。

my-beers.com

まるで展望台のようなお洒落なガラス張りの外観の建物は、いかにも「宇宙」をイメージさせる造りではあるものの、実際にはうちゅうブルーイングさんとは全く関係なく、元々はスパティオのフロント用の建物だったらしいんですね。まるで最初からうちゅうさんのタップルームにするつもりだったのかと言いたいぐらい、しっくりきてます。

さて!前置きはここまで。飲むぞ飲むぞー!なんたって歩き続けてへとへとだもん。スタッフさんにも「え、駅から歩いて来られたんですか?」なんて驚かれちゃいましたよ。

最初に飲むビールは既に決めてあります。ネット上に、本日のタップ&缶のラインナップのリストが掲示されているんですよ。事前にそれを眺めていて、えっ!と驚いたことがあったので、そのビールを飲みたいというのがまずありましてね。それがこちら。

LOTUS」と題された、うちゅうさん初の「ヘレスラガー」です。うちゅうさんといえばゴリゴリでニゴニゴなヘイジー&スムージーのイメージが強いブルワリーなので、まさか、シンプルなヘレスラガーをリリースするとは、完全に予想外でした。この「LOTUS」はタップルーム限定ビールなので、これを味わうにはここに来るしかなかったわけです。

口に含むと、軽い酸味と麦芽の旨味を感じ、熟れたバナナのような香りが漂います。これは酵母の香りかな?派手さはなく、めちゃめちゃ軽いです。苦みも弱く、炭酸もそんなにキツくなくて穏やかなので、喉に引っかかることなく、するするーっと飲めちゃいます。すごくあっさり。うちゅうさんのイメージを覆される一杯ですね。気になる方は今すぐ小淵沢にGo!(笑)

 

お次の1杯は、「ATOM RASPBERRY」。うちゅうさんといえば、やっぱり例の「とろとろすっぱうまいフルーツスムージー」ですよね!

「LOTUS」を飲みながら、次々にやってくるお客さんたちが何を注文するのかを観察していたのですよ。するとこのスムージー、1杯が1350円と決して安くはないにもかかわらず、やっぱり爆速で売れまくっている。やっぱ、うちゅうさんのタップルームに来たらスムージー飲みたいよねー。わかるわかるー。というわけで私も注文。

もはや驚きもないけれど、この鮮やかどピンクのニゴニゴドロドロを見ると、やっぱり思わず笑っちゃう。そしてラズベリーの酸っぱさとパイナップルの濃厚な甘さは最高です。これのどこがビールやねーん、アルコール入りファッショナブルスムージーやんけー!と心の中でお約束のツッコミを入れながら、唇の端についた雫を大事に舐め取って最後の1滴まで美味しく飲みました。最&高。ハッピー。誰も彼もが笑顔になってしまう、ビール宇宙の新しい可能性を示すこの一杯。うちゅうさんのスムージーはとっておきのご馳走なんだよなぁ。小淵沢に来たら、やーっぱこれ飲んどかなきゃだわよ!

 

もうちょっと飲みたいけれど、下戸なのでアルコール度数の高めのヤツは3杯目にはちょっとしんどい。というわけで「PLANETADE LAVENDER LEMONADE」 をチョイス。

こちらは、以前にもご紹介した、うちゅうさんのラドラー(ビールとレモネードのカクテル)です。前に飲んだのはシンプルにレモネードだけの掛け合わせだったけど、今回はそれにラベンダーを漬け込んであります。

なお、タップにはこのラベンダーのともうひとつ、ブルーベリーを使ったラドラーも繋がっていて、どっちにしようかな?と迷ったものの、スタッフさんの「僕としては、できればラベンダーを試してほしいですね」に惹かれてラベンダーに決定したのでした。っていうか、まずビールにラベンダーを掛け合わせようという発想自体がぶっ飛んでる。私の信条「変わったビールを飲みたい」からして、これは飲んでみなくちゃですわ。

液色は淡いスモーキーピンク。鼻を近づけるまでもなく、ラベンダーの芳香がぷわんと漂ってきます。飲み口は非常に軽くてレモネードの甘さがしっかりしているのですが、何よりもラベンダーの強烈な個性が最前面に出ています。これは、人によっては好き嫌いが分かれるかなぁ。私はラベンダーのハーブティーが好きなので楽しく飲みましたが、そういったものに抵抗感のある人には向いてないかもですね。

 

ところで、このラドラーを飲みながらぼんやりしていると、隣の席の2人組のお兄さんたちから「よかったら、これ、どうぞ」と、大粒のブドウが差し出されました。「これ食べてから飲むと味が変わるんで、試してみてください」と笑顔で言われたので、遠慮なくマスカットを1粒頂戴して食べてみました。あっま~い。そしてビール。おお。確かに味が違って感じられるぞ、面白いなぁ。

この2人組のお兄さんたちは、全国各地のビールイベントやブルワリーなどを訪ね歩いていらっしゃるそうで、昨日までは京都に、明日からは静岡に行くところなんですよ、とのことでした。クラフトビール業界に大変お詳しくて、このうちゅうブルーイングさんとも長年の顔なじみのようでした。

お2人ともお話し好きと見えて、気さくに話ができる雰囲気の方々だったので、せっかくの機会だから色々教えてもらおうと考え、「変わったビールを飲みたくて、あちこち出掛けてみたいんですが、どこかオススメはありますか?」と尋ねてみました。すると、スマホのアルバムを見せてくださり、あちこちのブルワリーやパブで撮ったものすごい量の写真を示しながら、「〇〇市の〇〇っていうブルワリーはこんな変わったビールを作っていて、そこのパブのこのフードが絶品でね!」とか「△△のイベントに△△さんが出店されてて、そのイベント限定でこんな素敵なビールを出しててね!」とか「このイベントで配られたグッズがなんとこれ!」とか、聞いているだけでわくわくしちゃう楽しいお話をたくさん聞かせてくださいました。

とりわけ興味を惹かれたのが、「娯酒飲帳(ごしゅいんちょう)」なる代物。元々は伊勢角屋麦酒さんで作られたグッズで、言わずもがな「御朱印帳」のパロディ。

www.biyagura.jp

その娯酒飲帳に、イベントなどで知り合ったブルワリーさんにサインをしてもらい、現在は4冊目に突入しているところだということで、その4冊の中身を見せていただきました。知っているブルワリーの名前もあれば、全然知らないブルワリーの名前も多く、日本中にはこんなにたくさんのブルワリーがあるんだな……と感動しながら眺めていました。こういう楽しみ方もあるんですねー!

その他にも色々とクラフトビールにまつわる楽しいお話を聞かせてもらい、夢中になっているうちに、ハッと気づくと既に2時間が経過していました。ひゃー!帰りの電車の時刻がー!当初の予定では、時間が余ったら近くのリゾナー八ヶ岳のハロウィンイベントの写真でも撮りに行こうかななんて考えていたんですが、あまりにもお話が楽しすぎて、うちゅうさんのタップルームだけで予定時間が過ぎてしまいました。お兄さんたちにお礼を言い、スタッフさんに見送られて、タップルームを出ました。

 

急いで小淵沢駅に向かわねばとも思ったのですが、道の駅こぶちざわに来たらどうしても寄りたい場所がもうひとつ。この施設内で、珈琲やクラフトジンジャーエールの露店を出している女の方がいらっしゃって、そのジンジャーエールが私の好みの味なもんですから、酔い覚ましを兼ねて買っておきたいと思いましてね。

その露店の方は、数か月に1度程度しか来ない私のことをしっかり覚えてくださっていて(茅野から来ていることとか)、「急に寒くなりましたね、そちらはどうですか?」などと笑顔で話しかけてくれるんです。「茅野も朝夕めっきり寒いですよ、ホットのジンジャーエールで温まりたいです」と言うと、嬉しそうに微笑んでくれました。

そのジンジャーエールを片手に、小淵沢駅までの坂道を下っていきます。行きはずーっと登りだったからしんどかったですが、帰りはずいぶん楽です。なんとか電車に間に合って、日が暮れる前には茅野に帰りました。

最初の「週末ビア旅行」は、あっという間の旅でしたが、念願のうちゅうさんのタップルームで美味しいビールが飲めて、しかもこれから先の楽しみ方を示唆してくれる人々との出会いがあったりして、満足感のある「旅行」になりました!今日教えてもらったいくつかのブルワリーにも行ってみたいな。これから先の計画を組むのがますます楽しくなりそうです。美味しいビールに出会えますように!